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当番日誌

2005.06.06

UFJ米国会計基準

 UFJホールディングス(UFJ)と三菱東京フィナンシャル・グループ(MTFG)との経営統合については、皆さんも新聞等の報道であらかたご存知のことと思いますが、この経営統合についての情報開示に日米で大きな差異があるようです。

 17年4月11日付の日経金融新聞に「UFJ買収4兆3400億円 三菱東京の米提出仮計算」という見出しの記事が掲載されました。
  MTFGは、メガバンク唯一のニューヨーク証券取引所上場企業ですので、本邦における開示の他に、米国基準による開示も行っており、この記事も、今回の経営統合に関する米国基準での開示を扱ったものでした。

 早速、MTFGのホームページのニュース・リリースの一覧(http://www.mtfg.co.jp/news_release/index.html)を見てみますと、17年3月4日の「米国基準財務諸表の開示について」というリリースがありましたので、開いてみました。
  「今般、米国会計原則(US GAAP:U.S. Generally Accepted Accounting Principles)を基準とした、MTFG と UFJ の結合要約財務諸表(プロフォーマ財務諸表)およびUFJ に関する財務諸表を作成しましたので、お知らせします。」という前文に驚かされました。これまで、米国基準の開示をしてきたMTFGはともかく、米国基準の開示をしていないUFJの過去2期分の米国基準の財務諸表、及び、両グループが16年9月末に合併したと仮定して作成された米国基準の財務諸表(上述の記事の「米提出仮計算」はこのことを指している)が記載されているのですから!
リリースの前文は、「本財務諸表は、米国証券取引委員会(SEC)へ本日付で提出する、経営統合に伴う登録届出書(Form F-4)に記載しています。当該届出書は、SEC の登録に関する審査を経て、本年6 月下旬に開催されるUFJ の株主総会の招集通知発送までに登録が完了する予定です。」と続き、このリリースの最後のページにある「米国証券取引委員会(SEC)への文書提出」という説明文は、「UFJの米国株主」に対して「三菱東京がUFJとの経営統合に伴い、Form F-4という届出書を米国証券取引委員会に提出したこと」、「本経営統合について決定する株主総会の前に、SECに対して提出されたこれらの文書を注意して読むこと」を呼びかける内容になっています。特に「UFJの米国株主」としているのは、MTFGは米国で上場済みなので、「MTFGの米国株主」には、言わずもがなということなのでしょうか。
  来る合併株主総会における「米国の株主」の判断に資するべく、予想される合併会計を施した仮の財務諸表を(そのために、これまで米国基準の財務諸表を開示していなかった会社の米国基準の財務諸表を遡及してまで作成して)開示するという発想に驚かされます。
  日本においては、株主に合併の財務的な影響を把握して総会で議決権を行使してもらうべく、予想される合併会計後の予想財務諸表を事前に開示するということは考えにくいことです。
  ちなみに、興味のある方は、SECに提出されたForm F-4をご覧になるとよいでしょう(SECのホームページのFilings & Forms (EDGAR)から入手可能、現在では一部amendされたF-4/Aとして開示されています)。ひとつアドバイスを。くれぐれも一度に全ページを印刷しようしないでください。何故なら、このForm F-4は印刷すると600ページ以上になるのですから。つまり、日本語のニュース・リリースはごく一部の抜粋(の日本語訳)に過ぎず、「米国の株主」への情報開示の方がはるかに詳細ということです。日経金融新聞の記事も「投資家にとって重要な参考情報が英語でしか開示されないことに疑問を持つ声もある」という言葉で締めくくられています。

King John

F-4/AのURLは、下記の通り
http://www.sec.gov/Archives/edgar/data/67088/000119312505073582/df4a.htm

寄稿者:King John