「USCPAとERP」
USCPAの各種交流会に参加して思うに、有資格者の中でGAAPに関連した仕事についている方は意外と少ないのではないでしょうか。
私自身、某コンピューター会社でERP(SAP R/3)の導入コンサルティングに従事しており、米国会計基準とはかけ離れた世界にいます。
周りからは「どうしてCPAなのにシステム構築やってるの?」という声も上がります。
しかし、だからといって“宝の持ち腐れ状態”かというとそんなことはありません。
実はERPビジネスでUSCPAの素質を生かせる舞台が結構あるのです。
例えば、日本企業(特に製造業)の海外現地法人へのERP導入です。
特に最近、ERP市場の新潮流として、この海外展開の動きが拡がってきており、私自身もこうした案件に携わる頻度が増えてきております。
このようなERPの海外展開機運が高まってきた背景には過去の苦い教訓があります。
1985年以降、多くの日本企業が円高の波に乗って行け行けドンドンで海外投資を行いました。
しかしその多くが失敗に終わりました。
2000年度前後に欧米を中心とした海外工場の売却・閉鎖・統廃合が相次ぎ、多くの日本有力企業が計上した巨額損失は記憶に新しいところです。
こうした失敗はなぜ起こったのか?
様々な要因があげられますが、その根本には、経営管理力不足、ローカライズ(現地化)不足があります。
そして今、この2つを克服する切り札としてERPが脚光を浴びているのです。
ERPを導入することにより、海外現地法人の経営の透明性が高まります。
日々の売り上げ状況、市場別損益、在庫状況(数量、金額、保管場所)資産負債状態、買掛金・売掛金の明細、製品別標準原価、実際原価が日本の本社で手に取るようにわかるようになります。
すると、日本からリモートで経営をコントロールできるようになります。
日々のオペレーションとマネージメントは現地事情に精通した優秀なローカルスタッフに任せることができます。
ローカルスタッフへの権限委譲が進めば、現地法人の運営が効率化されます。
従来の日本本社→日本人駐在員→ローカルスタッフといった管理の二重構造がなくなり日本の駐在員が管理部門を独占するといった光景もなくなるでしょう。
総コストの半分以上が海外現地法人で占められる企業が珍しくなくなりました。
今や海外現地法人の経営管理力が日本企業の命運を左右する時代です。
ERP展開の動きはこれからも加速するでしょう。
そしてERP導入するには、IT力、会計力、英語力を備えた人材が不可欠です。
USCPAとERPの親和性は今後ますます高まっていくといえます。