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当番日誌

2003.10.23

日本人としてのアイデンティティ

  朝の通勤時の気温が摂氏6-7度と肌寒くなり、あの欧州の記録的な猛暑から秋を飛び越え一挙に初冬へと突入した感のある、ここフランクフルトでの近況報告です。

  去る9月30日にフランクフルト日本法人会及び在フランクフルト日本国総領事館等の主宰による天満敦子ウ゛ァイオリン・コンサートが旧オペラ座(Alte Oper)で開催され、満席の日本人及び親日的ドイツ人(ほぼ同数)が素晴らしい演奏を満喫しました。

  このコンサートのハイライトは、最終演奏曲に選ばれたルーマニアの薄幸の天才ポルムベスク(1853-1883)の遺作「望郷のバラーダ」でした。この曲は天満女史が1993年に日本に紹介し、クラシック界では異例の大ヒット曲となったそうです。朝日新聞朝刊に1998年7月から1年間連載された小説「百年の予言」(著/芥川賞作家高樹のぶ子)に登場する女性主人公、相馬充子は彼女がモデルであり、また永らく埋もれていたこの曲の楽譜を1985年に欧州で偶然入手し、天満女史に「バラーダ」の日本紹介を依頼した若き外交官が現在のフランクフルト日本国総領事、岡田眞樹氏であったそうです。

  岡田総領事はコンサートの冒頭の挨拶で、日本及び極東アジアの国々での西洋クラシック音楽の著しい浸透や日本人音楽家のクラシック音楽界での活躍に触れ、また何故ルーマニアの浪漫主義がこれほど日本人の心に響いてくるのかという謎をこのコンサートを通して探ってみては如何かと提案していました。

  さて、私はというと、アンコール曲として演奏された2曲の内の最後の曲が無性に私の琴線に触れたものでした。

  その曲とは、「北の宿から」(都はるみ)の変奏曲。

寄稿者:尾谷(在独17年目に突入)