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梶原真紀さんのUSCPA受験体験記

Writer:梶原真紀

合格州:デラウェア

合格年月:2003年5月

1.はじめに

 

私は大学卒業後8年超外資系投資銀行でコーポレートファイナンスの仕事に携わり、現在は(2003年11月より)日系の投資銀行に勤めています。CPA資格取得と転職は直接の関係は何もありません(現職場でCPAの認知度は低く、採用権限者であった取締役常務も今さらながら私の名刺の刷り込みを見て「なんで会計士の資格持ってるんだっけ?これって難しいの?」なんて怪訝そうに聞いてくる状態)。

コーポレートファイナンス業務においては担当先企業・業界の知識、コーポレートファイナンス理論や幅広い金融商品の知識はもちろん、本来会計・法律・税務等に関してもある程度の見識を持っていてこそCEO/CFOの懸念事項に的確に応えられるのではないかというのが私の考えですが、実際には日々の激務に追われて自分の担当以外のことまで勉強するのは難しく、デューデリジェンス・ドキュメンテーション等は弁護士・会計士に「丸投げ」してしまうバンカーがほとんどなのが実情、と常々残念に思っていました。自分の役割を全うして会社で評価を得るだけであればそのような分野は専門家に任せて自分の領域だけに注力すれば良いというのが大方の考えですが、何でも知りたがりの私には少し物足りなく、時間ができたら新しいことを勉強して自分の幅を広げたいなぁといつも思っていました。

たまたま時間の余裕ができた昨年秋に当時の同僚がCPAの勉強を開始し(彼は結局仕事との両立に苦労して未だ受験の目処もたっていないようですが・・)、某スクール社長の本を貸してくれたのが私のCPA受験のきっかけです。今年5月に受験し、無事全科目合格することができました。

勉強の過程で、監査のプロセスにはこんな決まりがあるんだ、とか監査報告書の文言もこんな風に決まっているんだ、などと知ることができてとても興味深かったです。また、苦手意識を持っていた法律・税務等も考え方の枠組みのようなものがなんとなく身につけられたようで良かったと思います。もちろんCPA試験で問われる知識は基本的な部分だけなので今の段階では表層的な知識に過ぎないのですが、少し視野が広がった気がします。

2.自分の学習法への反省と今後の受験生へのアドバイス

  • 時間ができてからまとめて、と思わずに細切れの時間を有効活用:私は受験要件の単位を全く持っていなかったので単位取得も兼ねて昨年秋に某スクールにて受講開始したものの、やはり事情が許さず当初半年間はほとんど何もできませんでした。単位取得だけは間に合うよう一夜漬けで最低限の単位認定試験を受けはじめていたものの(120日ルールをフル活用して実際にはほとんどの単位を2月以降に取得)、本格的な勉強は余裕ができた時にまとめてやろうと思いテキストさえ見ませんでした。しかし後で思うと少しづつでもこの時期に勉強していれば良かったです。スクールのテキストが重くて当時鞭打ちリハビリ中の私にはつらくて持ち歩くことができなかったのですが、学習開始後3月頃に、学習した範囲から順次簡単なカードを作成し移動時間等に見ていたのが非常に有効でした。もっと早くこれをやれば良かったです。
  • 学習内容を忘れない内にMultiple choice(MC)を解いて記憶の定着を:私の場合、時間さえあれば次々と新しい範囲の講義ビデオを観ることを最優先し、最後にMCをまとめて解いて単位認定試験を受ける、というパターンを繰り返していましたが、最初の方の内容は忘れてしまっていて非効率でした。その代わり(?)勉強開始してからは電車の中や通院の待ち時間、料理中等、昨日学習したことを頭の中で思い出してみるようにしてました。新たな知識は自分の中で反芻してこそモノにできるので。
  • 単なる暗記でなく、想像力をフル回転:特に監査など、実務経験がなければイメージの沸かないことが多々あります。そこで自分が会計士になったつもりで実務の流れを論理立てて考え、全体像をつかめるよう努力しました。
  • 模試等を積極的に利用:私は本試験1ヶ月前まで試験全体の問題量、MC・Other ObjectiveとEssay等の内訳などイメージが全くなかったのですが、模試を受けて全体像が分かり安心しました。来年からの新しい試験システムや形態を私は把握していませんが、恐らく各スクール等で予想問題を使って本番の内容に近くした模試などを開催されるのではないかと思いますので、イメージをつかむためにも活用されれば有効かと思います。
  • 試験中の時間配分に要注意!:私はこれを甘く見ており(模試では余裕があったので)、MCは面倒なものを後回しにしてエッセイに時間をかけ過ぎ、時間切れでできなかった問題が多くて悔やまれました。
  • 色んな教材に手を広げるより一つに絞ってまんべんなく学習:WilleyやGleim等を併用する方も多いようですが、私はスクールの教材以外は見ませんでした(見る余裕もなかったし・・)。当然スクールによってカリキュラム・方針等が違うのでWilley等の併用を前提としているカリキュラムの場合は必要かと思いますが、私の通っていたところのように「我が校の教材だけで充分」と謳っているケースでは、素直にそれだけに集中して徹底的に取り組む方が効率的だと思います。
  • 特定分野を深く掘り下げるより「広く浅く」全範囲をカバーすることが大事:試験範囲は広いですが、問題は基本的なものが中心です。問題集を隅から隅まできっちりクリアしようと思うとつい何度やっても間違うような面倒な問題に時間を費やしがちですが、難しい問題は他の人もできないと割り切って、どのテーマでも基本的な問題は確実に正解できるようにしておく方がよほど大切です。
  • 最後まであきらめない:私は2-3月、いざ勉強を始めてから「このペースでは5月受験はやっぱり無理かな」と思ったり、当日あまりの体調悪さに途中で投げ出したくなりましたが、無理せずその時できる範囲のことをやっていて良かったと思います。ベストコンディションで試験に臨める人などそう多くないのではないでしょうか。

3.学習を終えて、科目別の印象

[財務会計]

 

基本をおさえれば確実にマスターできる科目。私は受験直前、苦手な年金・連結等のテーマにはまってそこばかりやってしまったが本試験ではほとんど出題されず、前半の基礎的な部分の出題が多かった。財務諸表を(フォーマットの暗記も含め)一通り書けることが大事。←でも新試験制度下ではどういう形の出題になるのか??すみませんが私には分かりません・・。

[監査]

 

レポートの文言にどんな意味があるのか等知らなかったことばかりで、最も興味深く勉強できた。ただし、常に全体の中の位置付けを意識していないと混乱する。監査経験がない私にとっては最も想像力を要し、勉強時間も最もかかった科目。

[ビジネスロー]

 

当初は「法律なんて画一的で実社会を反映してない」などと思い、(税法と並び)最も興味の持てなかった分野。始めてみると意外と常識的に対処でき、最も短期間で習得できた科目。法律的な物の見方を少しは見につけられたようでおもしろかった。

[税法・公会計・管理会計]

 

管理会計はそれなりにおもしろいが、無意味な暗記の多い税法と公会計は最後まで興味が持てなかった。私は実生活でもとにかく金勘定が嫌いで、中でも税金のことは考えるのもウンザリ・・ただ、試験対策は比較的簡単。

4.最後に

 振り返ってみると本当に駆け足の受験体験でした。資格取得自体に思い入れはなかったものの、結果として一発合格はやはりうれしいものです。

会計士志望の方に限らず、会計・監査・税法・ビジネスロー等の基礎知識を身に付けたCPAホルダーが今後もビジネスのあらゆるフィールドで活躍されることを期待し、皆様のご健闘を心よりお祈り致します。焦らず無理せず、ご自分のペースでがんばって下さい。

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